イギリスはインドカレー屋だらけ
植民地支配のお蔭で、イギリスではインド料理は非常にポピュラーで、至る所にインド料理屋がある。失礼ながらイギリスに日本より美味しいものはほとんどないと思うが、数少ない一つがインド料理だと私も夫も信じている。
バックパッカーだった私は3週間ほどインドを旅したことがあるのだが、その際にインド料理の虜になり、帰国後も美味しいインド料理屋を探して食べ歩いた(一人インドカレー)。
しかし、日本のインド料理はかなり日本人に食べやすい味にアレンジされているのか、材料も手に入りにくいのか、なかなか現地の味を思い出させてくれるような店には出会えなかった。
ところが、イギリスに来てインド料理を食べて、「こ、これは!」と思ったのだ。美味しい!本格的!
面白いのは、「スターター(サモサやタンドリーチキンなどのスナック系)と「メイン(肉や魚のカレー)」「サイド(野菜カレー)」と、なんとなくコース仕立てになっていたり、本場では羊と言えばマトンだったが、こちらではラムが多い。このあたりはイギリス文化と融合している感がある。
あと、インド料理以外にイギリス料理(Fish&chipsとか)も出している店もある。以前は、わざわざインド料理屋でイギリス料理注文する意味が分からん、と思っていたけど、今回子連れで来て、「あ、これ助かるかも・・・」と思った。本格インドカレーが子供の口に合うとは限らない・・・。
メニューの多さが半端ない!
なにしろメニューの種類がものすごい!
メインのカレーのベースは大体10~15種類くらいあって、具をチキン、ラム、エビ、野菜あたりから自分で選択できる。これだけで40~50種類くらい。さらにその店オリジナルのカレーが10~20種類くらいある。
大体サイドメニュー扱いになっている野菜のカレーも少なくとも10種類くらいあるだろう。私はオクラのカレー(ビンディマサラ)やホウレンソウとカッテージチーズのカレー(サグパニール)豆カレー(ひよこ豆やダール豆が入ってる系)がお気に入り。インドで食べていたのはむしろこういったベジタリアン向けカレーだったので、こっちがメインでもいいくらいだ(一応、そういう風にもできる)。
カレーの付け合わせに必須のナンも、プレーンなものからガーリック、チーズ、じゃがいもが中に入ったものなど数種類。個人的にナンより好きなチャパティが現地と同じくナンより安く食べられたりする(日本では材料の流通のせいかそもそも提供されていないか、ナンより高かったりする)のは嬉しい限り。もちろんご飯もある。これもプレーンだけれはなく、具が入ったライスでカレーを食べる人もいるらしい。
インド版ピラフのビリヤニも、チキン、ラム、えびなど数種類。
とにかくメニューが多すぎて、その日食べるものを選ぶのが大変だ(嬉しい苦労)。
インドカレー大好きイギリス人
こんな具合なので、とりあえず飽きるということがない。
前回帰国時は、「もうイギリスのインドカレーが食べられないのが心残りだ」というくらい、夫婦でインドカレーにハマったものだった。
イギリス人もインドカレー大好きなので、店の中はインド人であふれているかというとそうでもなくて、イギリス人が多いし、みんなお気に入りのインドカレー屋を一つや二つ持っているはず。そりゃそうだよね、と。「肉、野菜、塩コショウ→加熱、以上!」て感じのイギリス料理に比べてインド料理のなんと豊かなことよ・・・!
実はインテリアにこだわって、間接照明で演出されたこじゃれた店も多いので(逆に日本のように現地感を前面に出した店ってあまりないかも)、ちょっとした記念日ディナーにも使えるし、赤ワイン片手にカレー食べている人もいる。(我が家は絶対ビールだけど)
お値段はそうそう安いわけでもない(具による。やっぱりエビとか高い)が、日本で食べてもインドカレーは意外に高級料理だし、そもそもイギリスにおいて外食は総じて高いので、割高感はあまりない。注文しておいて自分で取りに行くと10%とか20%割り引きしてくれるところもあるので、そうなると結構手ごろだ。(イギリスってほんと人件費が高い)
そして、もう一つポイントが。パブなどでもインド料理をメニューの一つに入れているところが割とある(つまりそれくらい浸透しているということ)。こういうときは、インド料理を注文すれば大きく外さない、というのが我々のセオリーになっている。
スパイスの力は偉大なり。